母が持ち込んだ
7点ほどのショールはいずれも、
「こんなの見たことが無い」
と新鮮な驚きで大歓迎され、
その店の女主人は
よほど気に入ったのでしょう、
すべてをその場で
現金で買い取ってくれました。
実際「法外」な値段で
次々と売れたのです。
「法外」なというのは、
ショールー枚の値段が、
当時の大卒の初任給の
半分近い値段だったからです。
ズブの素人の織った作品としては、
法外な値段としか
言いようがありません。
材料費の
実に
百倍の値段だったのですから・・・。
【研三さんが語る、母・みさをの「さをり」物語】
★★★ その15 ★★★
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