A:
既成の織り物になってしまわないように、
少し薬をきかせてお話しすることですが、
あくまでこれはひとつの手段だということです。
でたらめ
という言葉だけが頭に残っている人には、
誤解を招くので、
大島紬のお話をしましょう。
大島紬をやっていた人によれば、
たった一本の糸すらも自由にできない、
厳しい制約の中で
言われた通りのことをコツコツやってきたが、
でたらめでもいいというくらいの私の方が、
ずっとむずかしいといいます。
私の手織りは、
技術でなく思考だからなのです。
技術よりも思考を重んずる
ひとつのアクションとして、
まずでたらめから入るという意味です。
※著書『私の手織り』(中経出版・1975年:絶版)より
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