A:
手織りが盛んなのは
今に始まったことではありませんが、
ブームといわれている現在の場合は、
いきつくところまでいってしまった
物質文明の反動のような形で
でてきたものでしょう。
手作りのものがもてはやされ、
手芸ブームなどを引き起こしたのだと思います。
しかし、
子どもを大勢産まなくなった主婦が、
単なるひまつぶしでやっているものだったら、
ブームは去っていくでしょう。
私はそんな単純なものではない
と確信しています。
私の手織りは、
自己表現の場であり、
人間形成にも役立つ役割を
になうものであるからです。
ただの懐古趣味、
手作り趣味、
ひまつぶし趣味なら、
やがて消えてしまうでしょう。
私の手織りは機械の能率とは競争しません。
頭脳の有無、
感情の有無、
意志の有無と競争したい。
人間尊重の姿勢をとります。
一個の人間としての自己を
大切にする姿勢をとりつづけます。
これが私の主張する現代の手織りです。
※著書『私の手織り』(中経出版・1975年:絶版)より
コメント