Q：先生の主宰している「さをり会」では、どうしてカリキュラムがないのですか？

 

A：

「これをつくるのに、こうします」

といった教え方は、

どこにもあります。

 

例えば、

マフラーをつくるにも、

タテ糸が何本で、

ヨコ糸はこれこれというふうに教えると、

結局押しつけになってしまいます。

 

ですから、

私は方法だけを教えています。

 

方法さえわかれば

誰にでも応用ができます。

 

むしろ、

織りのむずかしさは応用に入ってからです。

 

どんなタテ糸に、

どんなヨコ糸を持ってくるべきか。

 

からみ具合はどうなるのか。

 

これらを見極めるのに迷っている人に

ヒントをつかんでもらいたい。

 

そのことに重点を置きたいのです。

 

それと共に押しつけの教育では、

既成概念から脱け出せなくなる

恐れがあるからです。

 

 

 

 

 

※著書『私の手織り』（中経出版・1975年：絶版）より