で、ああ、こういうふうに今、世の中にもてはやされることがわかったんです。そしたらそのうちに、今度は江崎玲於奈さんのお母さんの油絵の個展があったんです。それは御存じじゃないかもしれません。大丸から真西に向いた所に炭屋町という所がある。そこの炭屋町の都画廊という所で油絵の個展があったんです。そこへ私は行きました。そしたらもう一人のお客さんがおられたんです。で、そのお客さんに「この人は手織をやる作家なんですよ」と私のことを紹介してくれた。そうして三人で一緒にしゃべりましょうとしゃべっていたんです。そしたら突然、江崎さんのお母さんが「城さん、あんたはここで来年個展やりなさい」と私にこう言うたんです。』えらいことを言われたと思って、私はこの場を逃げようとしたんです。ケラケラ笑いながら逃げようとしたら、「笑い事じゃないですよ。やりなさいといったらやりなさい!」と来たんですよ。江崎さん、すごいんですよ。さすがに玲於奈さんを育てた親やと思いましたね。「やりなさいといったらやりなさい」。そう言ったんです。「笑い事じゃないですよ」。
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