「笑わば笑え!」
東北の方が、さをりに取り組む姿勢は気迫があり、熱心そのもの。仙台、福島、山形、秋田、石巻、松島、どこでも、集まる人が皆、熱心にみさをさんと接する。言葉ひとつ、作品ひとつ、どれも何かを得ようと必死。みさをさんもそれに応えようと、みさをさんのエネルギーを必死で伝える。得ようとする気迫、伝えようとする気迫。気迫と気迫が交わって、エネルギーに満ちる。このエネルギーの渦の中に、身を置けたことは、とてつもなく良い経験となった。その一例を紹介する。
石巻の及川さん宅での交流会。それぞれの自己紹介が終わろうとしていた時、みさをさんがいきなり立ち上がった。自己紹介がモタモタしていたのに(通常の自己紹介はこんなものですが)、痺れを切らしたからだ。
「さっきから、なんでそんなモタモタしてるの?・・・ 人にどう見られようと、自分というものをしっかり持っていれば、人に笑われたって、大したことあらへんのよ。その手本を今から見せたる!笑いたかったら笑いなさい。笑わば笑え!」と言い放ち、いきなり歌い始めた!
これは歌か?なんて感じたのは後のこと。「笑わば笑え!」の言葉、一心不乱に歌う気迫の前に、ただ圧倒されるばかり。歌の後、しばらく頭がジーンと痺れていた。
この生き方があるからこそ、さをりの理念がある。みさをさんの生き方とさをりの理念は、一心同体であり、一点の曇りも嘘もない。だからこそ、この「笑わば笑え!」が大きく僕の心に突き刺さり、揺さぶったのだと思う。「笑わば笑え!」、は僕の座右の銘になった。
●『北の地に 紅い衣が 舞い踊る』
●『山寺に 行けぬみさをの 手はもみじ』
★「奥の細道紀行」リレー報告5番手:城 達也
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