10月24日(月曜日) 福島にて
昨日までのぐずついたお天気とはうって変わって、最高の秋晴れ。ワクワクしながら石巻から空港へと向う。いよいよ、「みさを版奥の細道」のスタートである。
12時40分着の飛行機で予定通り仙台空港に降り立ったみさを先生と研三さんが、私を見つけてにこやかに近づいてくる。空港からの道々、みさを先生は東北の空の色や広々とした秋景色を「凄い、凄い。」と声をあげて喜ばれる。「東北は、今が一番良い季節」と説明する私も嬉しい!
先ずは仙台の適塾で1時半から開かれる北日本さリコの例会にご案内する。適塾では北日本さリコのメンバーが首を長くしてお待ちかね。みさを先生のお話、研三さんの実技講習、そしてみさを先生に書いて欲しいものを銘々におねだりする。「はい、先生これに練習して、これが本番。」誰が生徒か先生か?みんな大笑い。和気藹々のうちに解散の時間。
福島の飯塚さんと新しいさリコの宮森さんが、今夜の会食と御宿の準備にと一足先に出発する。もう少ししたら私達も出発と思っているところに、阿部さんから「浅野知事と連絡が付いたのでこれから県庁に行きます。」との事。実は今回の旅のついでに、浅野さんにも会いたいとのみさを先生のご希望だったけれど・・・。「知事がお待ちなので直ぐに」と急き立てられながら、「六時から会食」と言っていた飯塚さんの顔が浮かぶ。到底間に合わない! 県庁では浅野知事が前日の選挙(応援の方が敗北)で落ち込んでいたとの事。みさを先生に会えて元気が出たと喜ぶ。
一時間ちょっと予定よりも送れて、福島の飯坂温泉に向って出発。ちょうど夕方の渋滞の時間。秋の夕暮れは早い。もう既に日も暮れている。福島の方たちが待っているだろうと気は焦るが、大事なみさを先生をお預かりしているので、私にしてはいつもよりは抑え目なスピード。それでも、研三さんからは「男の子のような運転だ。」などと、遠まわしな言い方でスピードを落として欲しいと取れる発言が続く。「東北では町と町が離れているので、これくらい飛ばすのは普通です」と何でも東北のせいにして、理屈の合わない事を言いながら強気の私。助手席のみさを先生は「明るかったらきっと景色が良いだろう」と仰って、スピードは一向に気に為らない様子。東北自動車道の飯坂温泉インターで降りる。
「インターを降りたら一個目の信号を右だそうよ。」帰りしなに飯塚さんが言い残した言葉を頼りにどんどん進む。宿らしいものは見当たらない。果物畑の中を進む、段々寂しく心細くなる。飯坂温泉には何度も行ったことが有る私。こんな筈は無い!宿案内は地元の人にしか分からないような、「地元の人しか行かないのか!」と叫びたくなるような、目印らしきものは何も無い地図。途中お店に立ち寄って聞いても一向に宿は分からない。日はとっぷりと暮れ、同じ様なところを堂々巡りしながら、やっと目印になりそうな学校の前にたどり着く。 その場から電話を掛けて、宿の人に迎に来てもらうことに・・・。「行くまで、15分くらい掛かりますのでお待ち下さい。」との事。唖然とする。
みさを先生は何も仰らずに、待つ姿勢。流石、待つことに慣れていらっしゃる。待って育てる? 育つのを待つ? この状況はチョット違う! 飯塚さんたち待っているだろうなー。申し訳ない。ゴメンなさい!
予定より二時間遅れの8時頃に今夜の宿、飯坂の奥座敷・穴原温泉「吉川屋」に到着。
★「奥の細道紀行」リレー報告6番手:及川恵美子 その1
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