高女入学時、
机を並べていた友は
医学を専攻し、
有名な病院の小児科のインターンになっていた。
私は初めての出産で、
全く子育ての知識はない。
その彼女が、
オルゴールを提げて祝いに来て下さった。
有難き幸せと待ち構えていた。
「子供の病気ってどのような注意をすれば良いの?」
と切り出した。
彼女は即、
「母親に勝る名医はない。」
と言い放った。
これはスゴイ。
私は参った参ったと恐れ入った。
返す言葉もない。
これは名言なり…
と彼女に頭を下げた。
一言も返す言葉を持たなかった。
その日より私は
彼女の言葉を拳拳服膺していった。
子育ては細心にして大胆」。
それを守った。
そのおかげか、
一つの支障もなく、
三人の子供は元気に育った。
幼稚園から大学卒業まで、
病欠など一回もなしに済んだ。
私は大いに
彼女に「感謝!」であります。
ところが彼女は
その事をスッカリ忘れていた。
私は片時も忘れないのに、
言った本人は忘れていた。
そのようなものなんだ…とうなずく。
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