家庭向き主婦ではない私。
主婦は務まらないが
何とか許して頂いてやって来た。
息子達が突然友人を大勢連れてやって来ても、
有る材料で応用をきかせることは、
うまかった。
しかし盛り付けはぞんざいであったっけ。
困ったことに女の子がいないので、
夫は淋しがった。
それでお花のお稽古の時は
いつも彼女らの仲間に入っていた。
「お父さん、あなた代役してくださいよ」
と冗談を言ったこともある。
それで、
カーテンやクッションは
赤いものにするように心がけていた。
やがて、
女の子のいない淋しさは
織物へと変わって行ったので、
こちらも色々手伝って頂くことができ、
大変便利であった。
なんとかつじつまが合うものなのだな…
と思ったことであった。
だからみんなでお茶を飲みに行ったりなど、
にぎやかな家庭であったことは
彼にとって充分楽しかったことであろう。
織物で資産を失った代わりに、
織物で楽しい生活が出来た…
とは皮肉なことであった。
今度新しく移転先となる土地も、
織物で儲けた家の土地を
買わせて頂いたとは何たる因縁なのか…
と笑っている。
来年は道路拡張のために立ち退きを。
今度は夕日がきれいなところ…。
楽しみに待っていて下さいね。
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