そして
手近に要る日々の野菜も、
例えばねぎ、三つ葉、菜っ葉類は
すぐに使えるような小さな畑もあった。
手近にあって便利にできていた。
多量に要るときは、
「みさを、ひとっ走り、
畑で取ってきて!」
と呼び出された。
そこは今では
小学校になっている。
前の「踏切り」に続く高台の畑であった。
広い広い畑には
色々なものが植えられていた。
今はその辺りに
すっかり家が立てこんでいる…。
「ああ、ここまで私の家の畑だったのだ・・・」
と、
すぐ頭に浮かんでくる。
その畑を手放したのは
三人娘を持つと家が傾く、
つまり三人娘を嫁がせるには
それ相当の金がかかる。
いずれは田畑を売らねばならぬから
今のうちに売って貯金をしておく…
というのが父の考えであったらしい。
逆に
「後の方が高く売れたのにねー」
と、
ちらと思ったものだった。
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