あとで先生が、
実はあの子、
廊下のガラスを
片っ端から
割って歩いた子です。
その子、
言うたらボスみたいな子ですね。
その子が
喜んで行ったんですよ。
今度はまた一人の男の子が入ってきて、
「バンダナ織りたい。
織らしてくれや」
と、
こう言うんですよ。
そんならって、
タテ糸のやり方から
やって見せました。
自分でやるちゅうんで、
選んだ糸を見たんです。
なんと、
びっくりした!
お能の時の
垂れ幕ありますね。
あの色を選んであるんです。
私、
びっくりしました、
ウワーッと。
ベルが鳴った。
「あと織っといたげるから、
授業へ行きなさい」
と、
先生が言うた。
「いや、俺、
織るんじゃ!」
って、
のきませんの。
とうとう1時間織って、
巻いて帰りました。
( NHKラジオ
『こころの時代 ~宗教・人生~』
1995年2月4・5日放送より )
★★★ その38 ★★★
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