1週間ほどたって、
また行きました。
先生がおっしゃるには、
「私はダメです。
こんな色入れたら
派手かな?
おかしいかな?
どうかな?
と思って、
向こうへ進みません。
彼女たちは
生き生きと喜んで織ってます。
私はすっかりダメです」
って、
織るのをやめて、
呆然と見てるんですね。
私、
あぁ、この人たちは
汚されてなかったぁ~
と分かって、
うれしかった。
なぜっていうと、
それまで何年間も訓練されたものが、
何も残ってないんです。
これにはほんとに驚いた。
私は昔、
7年も8年も生け花習うて、
それが身体から抜けないで
四苦八苦した想いがあります。
普通はみなそうなんです。
残るんです。
ところが
彼や彼女たちには
残ってないんです。
そして、
ポーンと
元へ戻ってしまったんです。
ウワーッ、
すごいものを見たぁ、
そう思いました。
( NHKラジオ
『こころの時代 ~宗教・人生~』
1995年2月4・5日放送より )
★★★ その11 ★★★
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