そうすると、
それはもう、
自然そのものなんですよ。
自然の持っている五原色が
フルにこの中で生かされて、
ひとつの世界をつくっているんです。
だからいつまで見てても
飽きないし、
ハーッと見とれてしまう
素晴らしさがあるんです。
ところが
私たちの場合は、
同じ寸法にしたらおかしいぞ、
この色とこの色はちょっとまずいな、
ああ、もうこれでいいだろう、
もうこれぐらいでやめようとか
言って、
自分でコントロールしないと
いいものができてこないんですよ。
自分でコントロールするというのが
余分に入ってくるんですね。
その苦しさなんですよ。
だから私は、
彼や彼女たちのことが
うらやましくてしょうがないんです。
好きにやっていったら、
ひとりでに素晴らしいものが
つくられてくる。
とてもとても
私たちには
できない。
それだけ
我々の方が、
悲しい人間に
されてしまっているんですよ。
( NHKラジオ
『こころの時代 ~宗教・人生~』
1995年2月4・5日放送より )
★★★ その9 ★★★
コメント