私にとって人生の出会いの第一は、
母としてのつとめを終えた57歳のとき。
ノーベル物理学賞を受賞された、
江崎玲於奈氏の御母堂である、
江崎二世子様の油絵の個展拝見の折り、
『あなた、来年ここで織りの個展をやりなさい』
と仰った。
私はその場を笑いで逃げようとした。
「まさか私にそんなことができるものですか・・・」
と内心思っていたら、
二世子様の厳しいお声が飛んできた。
『笑いごとじゃありません!
やりなさいったらやりなさい!』
私は、
「ハイ、やります」
と低頭した。
そのとき同席されていた二世子様のお友達からも、
『奥様芸には甘えがある。
プロフェッショナルになりなさい』
と同じく厳しいお言葉をいただいた。
私はお二人の言葉に、
グサリ!と胸に刃物を突き刺された思いがした。
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