ベートーベンは自己表現という問題を
最初に明らかにした音楽家であったが、
音楽だけにかかわらず、
自分の意思と才能との力で、
新しく創り出すところは、
又万人の新しい宝である
という不抜の進行を抱いたということだった。
と小林秀雄が言った。
それから百年。
現在の吾々は多方面にわたって、
その新しい宝なるものに出会っている。
中でも吾々は集団としての
先天的感性なるものとの出会いを
織りの分野においてひとつの
動きなるものを確立したと言えましょう。
その果実は、
ファッション界において大きな変化を見、
明治に入ってきた洋服なるものを
日本人のものとして注目を集め、
ひらかな服としての出発を
意義あらしめるようになった。
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