現代人は、
あまりに分別くさい。
きれいごとに過ぎる。
きれいごとに過ぎると、
偽装と欺瞞が始まる。
人間には、
格好のいい感情と、
格好の悪い感情があるが、
吾々はすべからく、
格好のいい感情で表現しようとする。
格好をつけたがる。
しかし、
格好のいい感情は、
それゆえに偽装されている。
心の中にドロドロとしたものがありながら、
それをきれいな言葉にすりかえてしまう。
頭で心の叫びを封印してしまう。
知性で感性の蠢きを封鎖してしまう。
ところが、
格好の悪い感情は、
だからこそ偽装ができない。
ねたみ、そねみ、悲しみ、羨み、
怒り、敵意、反感、憎悪・・・、
誰でも持っているこうした感情に
向き合うことが大切である。
揺さぶりをかけることである。
感情を揺さぶらないでいると
心に垢や殻が付着して固く厚くなる。
いつのまにか捉われる。
身動きができなくなる。
自分を見失う。
感性が鈍くなる。
葛藤が少ないことはよいことである、
とは私は思わない。
むしろ葛藤がたくさんあることによって、
感性は磨かれていく。
それが「生きる」ということではなかろうか。
自己を見つめる作業を通じて、
見えない自分を見つけたい。
「今、ここ」の自分を大切にして、
葛藤を抱えながら生きていきたい。
そして、感謝したい。
今、生きてあることに 。
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