初めて機の前に座った人は、
必ずといっていいほど、
「耳」を気にします。
先入観とは恐ろしいもので、
生まれてこのかた、
耳がデコボコした織り物など見たことがないからです。
「耳なんかキレイにしなくてもいいんですよ」
と言っても、
しきりに耳をいじって気にしています。
「デコボコの方が人間臭くていいじゃありませんか。
手びねりの茶碗と型抜きの茶碗とでは、
どちらがいいですか?」
いろいろ説得していくうちに、
ようやく会得していただけるのです。
無理に汚くしなさいと言っているのではありません。
まずは、耳を気にしない発想を持っていただかないと、
先へ進まないのです。
耳を気にするより、
色やフィーリング、そのときの自分の想いを
気にしてほしいのです。
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