Q：私は年をとっているせいか、つい習慣とか、既成の概念からぬけられないのですが・・・。

 

A:

理屈ではわかっていても、

手が動いてくれないのでしょう。

 

心の中に既成概念が住みついてしまうと、

自由な発想が入り込む余地がなくなってしまいます。

 

どうして、そうなるのでしょう。

 

年齢が高くなり、

社会の常識から離れられないこともありましょう。

 

私が年配の方たちに特に申しあげたいことは、

機械の真似をしないぞ、

既成の概念を破るのだと心に決めたら、

あせらず、

静かに自己を表現していくということを心がければいい

ということです。

 

チェック柄を織ったとします。

 

もちろん既成の織り物を頭に描いていたのでは、

どこかで買ったような品になってしまいます。

 

チェックの柄の中で色や太さを変えてみるのです。

 

チェック柄にしないで、無地で織る部分を作るのです。

 

とたんにユニークなものになります。

 

このような変え方から入るのが

最も抵抗なく入れるコツだと思います。

 

苦しいほど、我慢してやってください。

 

きっと織る喜びがあなたに戻るでしょう。

 

 

 

 

 

※著書『私の手織り』（中経出版・1975年：絶版）より