その指導者の方が偉かったのは、
「私は、
この人達を
駄目にするために、
何年も努力し続けてきたのですね」
と
言ったことです。
そうです。
彼らは、
最初は、
素晴らしい感性を
そのまま織りに生かしていました。
それを
既成概念を押しつけたばかりに、
そのような命のない布しか
織れなくなってしまったのです。
知的障害の人達は
既成概念というものを
初めから持っていません。
だから
一般の主婦には必要だった、
既成概念の打ち壊しは、
無用でした。
指導者の方には、
「今後は一切何も言わずに、
この人達に好きなように
織らせてあげてください」
と
お願いして、
その施設を後にしました。
【研三さんが語る、母・みさをの「さをり」物語】
★★★ その29 ★★★
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