ある時、
画家の須田剋太さんから
はがきが1枚
舞い込んだんです。
そう、
亡くなられる前の頃は、
『週間朝日』で
司馬遼太郎さんの
『街道を行く』の
連載の挿絵を
描いたりなさってましたね。
そのはがきには、
「荒々しくて
上品で
派手で
地味な
マフラーを
僕に織ってくれないか」
って、
ありました。
で、私、
荒々しくて、
上品で、
派手で、
地味・・・・・・、
困ったぞ。
ここ荒々しく、
ここ上品、
ここ派手・・・・・・
じゃない。
これはどうしよう!
と思って、
これを団子に丸めて
ボンと出すことを考えたんです。
そして団子に丸めて
出したんですね。
だけど、
本当にこれで気に入っていただけるか
どうかわからんから、
3本織りました。
3本織って
持って行って、
「先生、
どうぞこの中から
お好きなの取ってちょうだい」
って。
そしたら、
「おお、
これもいいな、
これもいいな。
これみんな、
僕にくれ」
と
おっしゃった。
で、
まあ、
もろうていただいたんです。
( NHKラジオ
『こころの時代 ~宗教・人生~』
1995年2月4・5日放送より )
★★★ その19 ★★★
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