『激動するもの』 高村光太郎
さういふ言葉で言へないものがあるのだ
さういふ考え方に乗らないものがあるのだ
さういふ色で出せないものがあるのだ
さういふ見方で描けないものがあるのだ
さういふ道とはまるで違った道があるのだ
さういふ図形にまるで嵌らない図形があるのだ
さういふものがこの空間に充満するのだ
さういふものが微塵の中にも激動するのだ
さういふものだけがいやでも己を動かすのだ
さういふものだけがこの水引草に紅い点々を打つのだ
どこにも当てはまらないものの中に、
大切なものがある。
吾々SAORIはそれをやってきたつもりだし、
それをやり続けて行きたい。
どこにも当てはまらないところに、
自由があって夢がある。
しかし、それだけに難しい。
その難しさに立ち向かっているうちに、
その自由の中から
自分を見つけ出すことができ、
次第に昇華するものである。
思いがけない境地に入り込むことができるのだと
思っている。
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