多くの人がいつか、
誰も見向いてもくれない時期にさしかかったことを意識する、
かなしい時が来る。
誰もがそうなのかよくわからないけれど、
美人であればなおさら、その落差は大きいに違いない。
そんなとき、私はさをりで救われた。
若さに取って変わるものは、生き方の魅力ではないだろうか。
どこか違うという雰囲気を持つことが、
何かを考えているという印象を与えることが、
若さの魅力に変わるものだと思う。
それはありがたいことに、深みを増してくれるものである。
自分という一人の人間の完成度を確かめていくことでもある。
つかの間の花のいのち
の終わる前に、そろそろ準備をしておけば、
無視される悲哀を感じなくて済むものだと思う。
さをりの織物は、
その人の中味を出さしめる不思議な織物である。
内なるものが大きければ大きいだけ、
それを出してくれる。
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