さて、だけど、
この人たちを
どうやって導くか、
これはどうすればいいかってのが、
次に私の頭にありました。
まったく何も言ってはならないのか、
手放しで見てるしかないのか、
それならこの先、
どうしようかと。
ある日、
糸くずを、綿くずを
持って行きました。
それでどうしようかと考えて、
「ちょっとあんた、
この綿くず、
ピッといっぺん
挟んでよ」
ほな、
ひょっと入れた。
そしたら
「あぁ、ええなぁ~」
という声が出た。
それでまた、
ちぎって入れた。
また、
「あぁ、ええなぁ~」
って、
織ったんです。
ハッ、
この声が出た。
私はその声を聞いて、
ああ、自分が納得したら、
それで進んでいくんだなっていうのが
分かった。
それから、
彼女が織った布を
黒板に張りました。
みんな、
あっちからもこっちからも
「ええなぁ~」
と言うんです。
よしよし!
って思いました。
( NHKラジオ
『こころの時代 ~宗教・人生~』
1995年2月4・5日放送より )
★★★ その13 ★★★
コメント