今から六、七年前でしたっけ。東京で第十六回リハビリテーション世界大会というのがあったんです。日本で初めてのリハビリテーション世界大会。その時に外国の人がたくさん来るから通訳に-早稲田の学生を頼んだんですね。その早稲田の学生の女の子に「あなた、四日間も手伝ってもらってご苦労さん。この中でブラウス一つかベスト一つお土産にあげます。どうぞ取って下さい」と言うたんです。そしたらこれというのを着たんですね。「先生、何かさっきから不思議な気がするんですけど、私これ、今初めて着せてもろた気がしないんです。なぜか生まれた時から着てたような気になります」と言うんです。「でしょう!」と言うたの。みんなすべての人がこれを持って生まれてきているんですよ、平等に。それがある時期から変な所へ行ったのと、そのまま留まった人とがあるんです。だから我々は生まれた時にみなこの感覚を持っていたんだ。だから昔から着ているような思いになるんだ。「そりゃ当然なんです」と言うたんです。それほどに原点の色なんです。地球の色なんです。それが彼や彼女たちの頭の中にあるんですよ。
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